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カメラのしくみ「絞り」被写界深度 [カメラ]

レンズと記録面との距離を調整することで、ピント合わせが行われている。ピントが合う位置には、幅がある。フォーカスリングを1mのところに合わせたとしたら、0.9m~1.1mくらいの間にあるものにピントが合う(数値は適当なので、あまり信用しないで欲しい)。

厳密に考えると、ピントがきっちり合う面は一点になるが、記録面の解像度以上には細かく記録できないので、だいたいの位置でピントが合うようになる。この範囲をある程度は調整ができる。

ピンホールカメラで穴を小さくすると解像度が上がる。カメラレンズには、絞りというものが付いている。ピンホールカメラで穴を小さくすることと同じことが、絞りを絞ることで簡単にできるようになっている。

DSC_0057.JPG

ピンホールカメラではピント合わせの必要がなかった。理論上、ピントはどこにでも合っていることになっている。
カメラレンズの絞りを絞っていくと、ピンホールカメラのように穴が小さくなっていき、ピントが合う範囲が広くなっていく。
レンズには光を集める、という特性があることから、少しだけ口径を小さくすることでもそれなりに効果がある。

ピントが合う範囲のことを「被写界深度」と呼ぶ。被写界深度が浅ければ、ピントの合う範囲が狭く、被写界深度が深ければ、ピントの合う範囲が広くなる。
絞りを絞れば、被写界深度は深くなり、絞りを開ければ、被写界深度は浅くなる。

絞りは、光量があり過ぎて、露出オーバーになってしまうようなときに、シャッター速度だけでは対応しきれないから絞っておくか、といった使い方もできるが、被写界深度の調整にも使えるのである。

絞りを変えて撮ってみた。順にF2、F4、F8としている。

絞りF2

絞りF4

絞りF8

絞っていくとピントがあっている部分が多くなっていくことがわかる。


被写界深度は、焦点距離によっても変化する。
焦点距離が短い広角レンズでは、被写界深度は深くなる。屈折率が大きいので、被写体までの距離が多少変わっても、記録面での違いは少なくなる。
焦点距離が長い望遠レンズでは、被写界深度は浅くなる。屈折率が小さいので、被写体までの距離が少し違うだけで、焦点距離の違いが大きくなる。

絞りと焦点距離のふたつが合わさり被写界深度を決めているので、結構わかりにくい。絞りをF5.6にしたとしても、35mmのレンズと100mmのレンズなら、被写界深度は変わってくる。被写体がどこにあるのかも重要。

頭では理解していても、実際に50mmレンズで2m先にある被写体を背景をぼかしつつも、奥行きが10cmくらいある被写体をピンボケしないように写すには、いったい絞りはいくつにすればよいのか、なんて瞬時に計算できない。
今はやりの顔認識・追跡機能で、被写体までの距離を測りつつ、被写体の厚みまでも計算し、絞りやISO感度を調整しながら... ってコンピュータならできそうだが...

人間がやるのなら、勘しかない。いちいち考えていたらいつまでたってもシャッターを押せない。やってみるのが一番なのかもしれない。
そもそも、ピントをきっちり合わせるのはオートフォーカスを使っても無理。きっちり合ってなくてもちゃんと写真は写る。ピントが甘いとかいわれても、素人なんだからしょうがない。

コンデジで「食べ物」の写真を撮っているときに、普通に撮ると、ボケない。コンデジは被写界深度が深くなるように設計されているらしい。なので、マクロモードで撮影することが多かった。
デジイチでは、付けたレンズによる。明るいレンズを付ければ、ピント面が狭く被写界深度が浅い、ボケ満載の写真が撮れるし、広角レンズを付けて絞りを絞れば、コンデジのように被写界深度が深い写真も撮れる。

しくみを理解していれば、デジイチの方が全然イイ。
今日はこのくらいで。

次回は、PLフィルター>>

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