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コードサイニングをするために公証人役場に行って書類を作った話 [PC関係]

コードサイニング



えーと、どうもコードサイニングで頭が一杯の管理者です。

コードサイニングとかSSL証明書ってよくわからないよね。
普通の会社なら割と簡単にSSL証明書って購入できる(ボッタクリみたいなコストがかかるけど)。
これを個人事業主で取得しようとすると「偉く面倒」であることがわかったのでブログに書いてみたいと思う。

きっかっけは

プログラムを配信したいが、ダウンロードするときに署名が付いていないものが「怪しいプログラム」に分類されてしまう。といったもの。
かくいう私、一応書籍を出版している立場である。結構な数(といっても10冊くらい)の出版物の著作者なのである。ここにCD-ROMのおまけを付けてサンプルデータを一緒に配布してしまう、っていうことがよくある。
おまけの中にマイクロソフトとかOracleなどのメジャーな会社のお試し版ソフトがある分には構わないが、どこの誰ともわからない、いち個人が作成したソフトウェアを入れて出版するのは、出版社にとってもリスキーであるみたいなのだ。

平たく言えば、どこの誰が作成したか分からないソフトウェアは「ダウンロードしてインストールするのは危険」とみなされてしまうので、ちゃんと「電子署名」して配布したい、というのが目的。

まぁ、Windows10のDefender SmartScreenがうるさく警告を出すので、これを回避したいっていうのが一番だったりする。


さて、どうすれば良いか。

まず考えたのが、マイナンバーカードで行けるんじゃない?

というものだった。がしかし、これはうまく行かなかった。
確かに、マイナンバーカードにはSSL証明書が入っている。しかも日本政府が認証しているのだから「これほど信頼できるものはない」といっても良いシロモノである。

だが、確定申告時にマイナンバーカードを使って自分を証明することはできるが、ソフトウェアに対して署名する用途にはできていないらしく、どうもマイナンバーカードでの署名は無理、ということがわかった。なにせマイナンバーカード内にあるプライベート証明書を取って来ることが「できない」らしい。取ってくることができれば、自宅サーバーとかのSSL証明書にもなるのにねぇ。まぁ、自由に取り出せたら問題かも知れないが、カードリーダーに突っ込んでおけば、その間は証明されるみたいな仕組みでもいいと思うのだけど。

確定申告にしか使えないなんて、なんて宝の持ち腐れ状態なのか。

PDFファイルへの電子署名はできるみたいなのだが...
プログラムへの電子署名もできるようにしてよ。

くそー、というわけで別の方法を探る。


コードサイニング



と、コードサイニングというサービスがあることを発見。
SSL証明書の発行サービスと似たようなもので、用途が異なるだけ。個人事業主でもOKなところを探して、早速申し込んでみた。

XXXが個人事業主に対応しているし、割と安かったのでXXXにお願いすることにした。

申し込みはWebからできるので、やってみると、なにやらいろいろ入力する項目が一杯である。しかも英語である。
わけもわからず、まぁ「ドメイン登録みたいなものか」と思い半分適当に入力して勢いでユーザー登録して申請した。

ネットの記事もあり結構よく読んだつもりなのだが、やっぱりよくわからない。うーん、ちょと高いが別の会社にすればよかったかなとちょっと後悔。しかし、ここでくじけているわけには行かない。

後日、XXXから連絡があり「独自ドメインのメールアドレスじゃないとダメですよ」とのこと。あっそうなの、基本ドメインないとダメなのか。こんなところにもコストがかかるのか、しょうがないAWSでドメイン取るか。

AWSは最近流行りのAmazon Web Servicesのことですよ。

申し込み自体は「保留」ということにした。

ドメイン自体はすぐに取れた。AWSで取ったが、ポチポチとクリックするだけで割と簡単にドメインを取れた。年に2000円くらいのコストがかかる。

ドメインが取れたら、申請書類を揃えなくてはならないようである。XXXさんいわく、認証局での認証になるので、ちゃんとした身分証明が必要とのこと。必要な書類としては以下の3点が必要となる。

 1. 身分証明書 運転免許証など
 2. 銀行との取引が証明できるもの 銀行からの郵便物など
 3. 電話回線の所有がわかるもの 電話番号がわかるもの

これらのことが英語で書かれている申請書というか、宣誓書が届き、それに記入した上で上記3点の書類のコピーを添付して、日本の代理店経由で海外にある本社に送って、申請書・宣誓書が認可されるとコード証明書が発行される、という流れらしい。
えー、なんていう複雑なやりとりなんだろうか。これだけでもなんて複雑、って思ってしまうが、驚くことなかれまだ続きがある。

書類のコピーが虚偽のものでないことを第三者に証明してもらう必要がある、とのこと。
第三者としては、税理士、弁護士、公証人のどれかに頼むものなんだそうな。

ウゲゲ、なんかめげそう。

とりあえず、申請は保留したので、公証人役場に今度行ってみることにした。弁護士に頼んだらなんか高そうだし。公証人なら専門でしょみたいな気もしたので。


公証人に問い合わせする



となんだかんだで忙しくて保留状態であったのだが、コードサイニング問題を再開すべく動き出した。用事のついでに公証人役場に行こうと思ったのではあるが、ハンコを持ってくるのを忘れたり、事前に予約が必要というのを見たりして、行きそびれていたのではあるが、一念発起して予約の電話を入れた。

 私: えーと、コード証明書というか電子署名用の書類を揃えたいのですが...
 公証人: それはどう言った書類でしょうか?
 私: あれやこれや説明する。
 公証人: あーだのこーだの宣誓書で良いか?海外に出すのなら外務省のハンコも要るのかなんやかんや
 私: ...

公証人の方は電子署名とかSSL証明書って言ってもなかなか理解してもらえなかった。ラチが開かないので、メールで宣誓書を送ることにした。XXXからのメールも抜粋して送っておいた。ついでに予約もしたが、来週になるとのこと。

しばらくすると、公証人から電話があり、英語の宣誓書を翻訳しろとの要望が。英語なのが引っかかっているのか外務省のハンコは?とかおっしゃる。

えー、困った。XXXに問い合わせする。翻訳するのってオレの仕事なの?

 私: えーと、宣誓書を日本語に翻訳したものはありますか?
 XXX: すみません。ありません。
 私: じゃあ機械で翻訳したのを提出してもOKですか?
 XXX: それは構いません。
 私: 公証人は海外に出すには外務省のハンコが必要と言ってますが?
 XXX: アポスト何ちゃらのことだと思いますが、それは必要ありません。
 XXX: 公証人様の方に電話で確認するのでOKです。

ということだったので、Googleで翻訳して公証人にメールした。

また数日してから公証人から電話連絡が。

どうも、日本語訳で腑に落ちない点があるようで。法律関係の人は細かいことにうるさいのね。機械翻訳なので、ちょいちょいとおかしな部分があり気になっている様子。公証人としては署名したことを証明することしかできない、というのが一番言いたいことのようである。運転免許証や銀行との取引の書類が虚偽ではないことについては証明できません、というのが一番のネックになっている感じ。

多分、外国と文化が違うんだろうなぁ。海外では「サインする」っていう文化があるが、日本だとハンコを押すだよね。海外では誰かがサインをしたのを第三者が認証するというのが普通に行われているらしいが、日本にはそういうものはないよね。ハンコだけで割と契約とかできちゃう。

また、XXXからの添付書類についての問い合わせには答えられないみたいなことを言われてしまった。原本がないとか、秘守義務とか言っているが、単に外国から英語で電話がかかってきても困るみたいな?代理店通しているから日本語なんだけど...

かなりすったもんだしたが一応予約した日に書類を揃えて公証人役場に行くことになった。
電話での問い合わせには答えられない問題については、当日私が署名をしている途中でXXXに電話をしてその様子を伺い知ることでOKということになった。

いざ公証人役場へ




3/18
いよいよ公証人役場に行く日となった。
予約したのは、9:15〜、少々早めの9:00に到着。XXXに連絡してみるももの、対応は9:30〜みたいなアナウンスが。もう、しまった。
小さな事務所に二人ほどが居た。一人は公証人の方でもう一人は事務のおばさんである。公証人はどこかに電話中であったが、しばらくすると奥の打ち合わせスペースに通された。
一応怪しいものではないことと、今回の趣旨を説明するために、著作本を持参して見せながら、CD-ROMのおまけとしてプログラムを載せたいのだが、そこに電子署名したい旨を説明。
添付書類はこれこれですと説明したが、あまり興味は無いようで、あくまでも「朝井さんが確かに署名しました」というのを証明するだけですよ。と言われてしまった。Personal Declaration(宣誓書)には事前に記入していたのだが、ORDER番号をどう記入すれば良いのかわからなかったのでここだけ空白。
署名は公証人の目の前でする必要があるとのこと。事前に英語で書いていたが、その横に漢字でサインをした。
そうこうするうちに、9:30になったので、XXXに電話。
ORDER番号に入る番号を問い合わせ。コールバックするとのこと。ORDER番号を記入。公証人に電話口に出てもらえそうか質問されたが、公証人に「電話には出ませんよ」と前々から言われてしまったので、その旨答えると「ではこれでOKとします」との返事。うーんめんどくさい。

その後、いろいろお客さんがやってきて公証人の方は大忙し。対応に追われている。
遺産相続とか離婚とかの相談が多いみたい。中には会社の登記関係もあるっぽい。

ほどなくして書類が出来上がった。単に、書類が閉じられて、割印が押され、最後のページに証明書がある感じになった。
割印がしてあるので、バラしたらダメっていうことか。スキャンしてメールで送付すれば良いらしいが...容量的に大丈夫なんだろうか。午後から別件で打ち合わせがあるので、戻ってきてからスキャンしてPDF化してメール送信して見よう。


ちょっと長い記事になってしまった。
本日は以上。


こちらは完成した書籍である。
おまけのCD-ROMにプログラムが入っていて電子署名されている。
興味のある方は見てみて下さい。


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