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カメラのしくみ「レンズ」 [カメラ]

モノがみえるということ

光は、モノにあたらない限り真っすぐ進んでくる。この様子を「光線」として表したりする。何かのモノにあたると反射したり屈折したりする。反射というのは、光線がはねかえってくること。屈折は、進む方向が少しすれること。反射と屈折は、進む方向がどのくらい変わるかの違いでしかない。

光線が人間の目の網膜にまで届くと、それに脳が反応して「見えた」ということになる。光線は光源から四方八方に出ていると考えられている。光源は光を発しているモノのこと。昼間なら太陽が一番の光源。スイッチが入っている電球も光源になる。

月を例にしてモノが見えるということを整理してみよう。
晴れた日に夜空を見上げれば、月が見えると思う。月は太陽のように光源ではない。月と太陽と自分の位置関係により、三日月だったり、満月だったりする。太陽の光が月に当たっている部分だけが見えている。
光が当たっていない部分は黒くなっていて見ることができない。月は球体であるので、そこに何もないわけではない。光が反射してこないので、見ることができないだけなのである。

DSC_0992.JPG

光が反射してやってこなければ、それはみることができない。そのもうひとつの実例として、透明がある。
水やガラスは透明である。光は反射せずに、そのまま通りぬけてくる。なので、そこに存在していても、見ることはできない。実際は、わずかに反射してくる光や屈折する光があるので、見る角度を変えたりすると見えるようになる。
空気も透明である。確かにそこに存在はしているものの、見ることはできない。

モノが見えるということは、そのモノが反射した光を見ているに過ぎないのである。

反射の具合

太陽は遠くにあるので、太陽からの光線はみな平行で同じ方向から届いているように見える。それがモノに当たると、いろんな方向に飛んで行ってしまう。はねかえってくるようだと反射になる。モノによっては、進路が少しだけ変わるだけかも知れない(屈折)。
モノによっては、光線を吸収してしまう場合もある。
光線は図にすると隙間ができてしまうが、実際は隙間なく降り注いでいるものと考えて欲しい。イメージするのが難しい部分でもある。

でやっとピンホールカメラの説明である。太陽から発せられモノに当たった光は、反射してピンホールに向かってやってくる。反射の具合により、ピンホールを通過できないものもある。多分大半が通過できない。しかし、それは中で見ている人には関係ない。
ピンホールを通過してきた光線は部屋の壁にあたる。壁は平べったいので、反射する方向はわりと一定。壁にあたった光線が見えることになる。
光線が通過してきた、ということはその先をたどっていくと何かモノがあり、太陽の光を反射していることになる。

ピンホールといった小さい穴を通り抜けてくることにより、外の世界が壁に投影されることになる。しかも逆向きになる。
逆向きになる理由は、よくみるピンホールカメラの説明の図をみれば簡単に理解できると思われる。

DSC_0994.JPG

写真ではわかりにくいかも知れないが、ペンがさかさまに写っている。それにしても、もっときれいに作ればよかった。


レンズ

ピンホールカメラの小さな穴をもっと大きくすれば、光がたくさん入ってくるようになるので、もっと鮮明に見えるのではないか?といった疑問が湧く。
実際にやってみると、そうでもない。確かに光量は多くなるが、鮮明にはならない。ピンホールカメラでは、穴の大きさが解像度を決める。

ピンホールカメラでは、解像度を上げるために小さい穴とした方がよい。そうするとおのずと光量が少なくなるので、感光させるためにシャッターを数秒、数分といった単位で開けておく必要がある。

光量を多くするには穴を大きくしなければならない。しかし、穴を大きくすると像がぼやけてしまう。ここをなんとかしてくれるのが「レンズ」である。
レンズはガラスでできている。ガラスは、光を通す透明なモノである。ガラスを平らではなく、少し湾曲させると、光は屈折するようになる。膨らんでいるようになっているのが、凸レンズ。へっこんでいるようになっているのが、凹レンズである。
凸レンズは、平行に入ってきた光線を屈折させ、ある一点に集めることができる。この点は「焦点」と呼ばれている。

虫めがねで、太陽光線を集めて、紙を焦がす、といった実験をしたことがないだろうか。虫めがねは、凸レンズでできている。焦点に太陽光線が集められると、そこが光により熱くなり、紙が焦げる。ことになる。
まさに、「焦点」なわけであるが、はずかしながら、私は集点だと思っていた。あわててブログの記事を修正した。いやいや、えらそうに、こんな記事は書けないなぁと反省。しかし、記事を書くことで、正確な知識が得られたのだからよしとしよう。

カメラレンズでの焦点距離もこれと同じ。虫めがねの場合は凸レンズがひとつだけなので、焦点距離もわかりやすいが、カメラの交換レンズは何枚かのレンズが組み合わされてできている。組み合わせ状況からここが中心という点を決める。これが「主点」と呼ばれるらしい。主点から焦点までの距離が焦点距離ということになる。レンズの組み合わせ方にもよるが、だいたいレンズの真ん中あたりが主点になるそうな。場合によっては、レンズの外に主点がくることもあるので注意。

ここで、素朴な疑問である。

「光を一点にあつめちゃったら、明るいー点しかみえないんじゃ?」

その通り。
しかし、よく考えてみて欲しい。ピンホールカメラにしても、レンズを通したカメラにしても光線はあらゆる角度から入ってくる。
あるところにあるモノに反射した光は、四方八方に反射する。というか、池に石を投げ入れたときのように、まあるく波が広がっていくような感じ。水面の波は平面上に広がっていくが、光は球状に3次元的に広がっていく。
光線で表現すると、放射状に線が広がっていくように描ける。

レンズは、これを集めることができる。どこに集まるかというと、焦点距離上付近の平面の光が発せられたところと対向するある点に集められる。

つまり、ピンホールカメラでの圧倒的な光量不足を大きな穴にすることで解消し、かつ屈折により光を集めることで、解像度が高い像を再現できる。これがレンズの効果である。

本日はここまで。

次回は、カメラのしくみ「焦点距離とピント」>>

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