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準天頂衛星「みちびき2号」の打ち上げに成功! [PC関係]

H2Aロケットでみちびき2号が打ちあがった。これで、GPSの精度が上がる。
と期待したいのではあるが、うちのカーナビやこの間ラズパイにつけたGPS受信機は準天頂衛星には対応してないだろうな。
まぁ、対応してなくてもカーナビで使う分には十分に精度があるしね。

普通のGPS衛星としては見ることができるんだったけ?

今度、RTKからみのGPSを使うことになるので、ちょっと調べてみた。

調べ中...

なんか、いつも天頂にあるから、その距離を測れば、「高さがわかる」って誤解している人を発見。

いや、いや、そうじゃないから。

そもそも、GPS衛星を使った測位は、理論上3つ以上の衛星を捉えることができれば、緯度、経度、高度での位置がわかり、より多くの衛星を捕捉したら精度が上がる、というもの。

この辺りの説明がわかりやすいかも。絵も付いてるし。

http://xz4u.com/gps-mechanism/

いつも天頂にあるというが、天頂"付近"にいる、っていうだけ。だから"準"天頂。ずーと日本の上空に留まっているような静止衛星ではない。
それでも、だいたい天頂付近に居てくれれば、いろいろなメリットがある。

街中でGPSを使うと、ビルに邪魔されてGPSの電波を受信できない!っていうことが多いわけです。天頂付近に衛星があれば、ビルの谷間でも捕捉できる可能性が高くなる。

マルチパス

衛星からの電波は建物で反射する場合がある。上の方から降ってきた電波は跳ね返っても上に方向に戻っていく可能性が大きい。斜め45度くらいから発せられた電波が建物の壁にあたって、ちょうどよい感じで受信できちゃうと困ることになる。
反射してきた電波は、直に受信できる電波よりも若干距離が長くなるため、計算される距離に誤差が生じる。
距離が長くなるといっても、数メートルかもしれない。しかし、確実に数メートルの誤差になってしまうであろう。

マルチパスで受信.png

衛星が頂点付近にあれば、電波を直接受信できる可能性が高くなるし、反射する電波が弱いのでマルチパスが発生しにくい、ということである。


電離層

地球のまわりには大気が存在しており、上空には電離層と呼ばれる電波を遮断するような層がある。
GPS衛星から発せられた電波は、電離層を通過して、GPS受信機まで到達することになる。天頂にあれば、電離層を通過する距離が短くなる。どのくらい上向きにあるのかを仰角というが、仰角が大きい=上向きだとそれほどでもないが、仰角が小さいと電離層を通ってくる距離が長くなる。

電離層を通ってくる距離が長いと、電波の速度が低下するのである。GPSでは、衛星との距離を計算するが、電波の速度は一定として計算する(補正情報が存在しない場合)。なので、仰角が低い衛星ばかりを捕捉していると、測位精度が悪くなる。

電離層を追加する際に速度が落ちる.png

ということで、GPS受信機ではあまりにも仰角が低い衛星は捉えても無視する、みたいな最適化が行われているようである。
この点だけでも、みちびきにより、最初の測位時間が短縮されるのではと思われる。


RTK

このような電離層を通過することでの測位誤差は、しっかりと固定されている基準点では逆算するすことができる(マルチパスは無理だが)。
逆算したデータは、補正情報と呼ばれている。実は、補正情報は電波で送信されている(DGPSとかで検索してみて)。

しかし、この補正情報の電波を受信できるGPS受信機でないと意味がない。それに、船舶向けに放送されているらしく、地上で受信するのは、なんか無理っぽい。
補正情報が受信できると、センチメートル単位の測位精度になるらしい。

補正情報は、RTCMというプロトコルでデータ送信されている。これを放送するのではなく、ネットワーク経由で配信するサービスも存在している。
サービスから補正情報をもらうことで、お手軽にセンチメートル単位の測位精度になるようである。

こういった技術は、RTK リアルタイムキネマティックというそうである。

実は、今度開発するのは、こっちのタイプのGPSを使う。

みちびきでは、RTKとは異なる方法で、補正を行うらしいが、ちょっと調べる作業時間が限界かも...
ということで、今回はこの辺りでしめくくるとする。

QZSS対応のGPSモジュール

みちびきは今回2号機が打ちあがって、2機体制になった。替わりばんこで天頂近くをカバーしていることになる。今後4号機まで打ち上げる予定みたいなので、4台体制になったら「あーんGPS捕捉できなくて位置が定まんないよ」っていうことがなくなるかも。

ただし、2号機は、打ちあがったっていうだけで、利用可能になるのはまだ先らしい。なので、今現在は電波を発信していないと思われる。
ちょっと楽しみなのだが、QZSSに対応したGPS受信機じゃないと「みちびき」を捕捉することはできないらしい。残念。

RTKに対応したGPSってやたら高価らしいので、手が出せないなぁ...
QZSSだけなら、安いのもあるらしいが...

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関連記事
ラズパイGPSモジュール LCDに緯度経度を表示
ここにはとても詳しく書いてある。http://www.ne.jp/asahi/nature/kuro/HGPS/principle_gps.htm



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